キッチンの設備機器選び 換気扇、レンジフードの種類について

キッチンの中でも存在感が有りキッチンの印象そのものにも影響を与えるが換気扇、レンジフード。
慎重に選びたいものです。
レンジフードの役割
私たちが健康的な生活を営むためには汚い空気を外に出し新鮮な空気を取り入れる「換気」 が必要です。調理で発生する 油を回収し煙や臭いを屋外に排出する のがレンジフードの役割です。
(※実は外に排気しないレンジフードも有るんですが、それはまたの機会に。)

レンジフードがないと・・・油煙が家中に広がり吊戸もべとべと。
レンジフードがあれば・・・! 油を回収し、煙を屋外に吸い出すので快適!という訳です。
レンジフードの種類
レンジフードの選定にあたってどうしても切っても切れない条件が有ります。それは「キッチンのレイアウト」です。
具体的に言うと次のようになります。
●壁面取り付けタイプ

キッチンの前側にある壁にレンジフードを取り付けるタイプ
対応キッチンレイアウト:I型、 型、L型、 U型(コの字型)
代表例:富士工業 BDR-3HL-601BK、アリアフィーナ FEDL-952S
●横壁取付けタイプ

横壁にレンジフードを取り付けるタイプ
対応キッチンレイアウト:ペニンシュラ型
代表例:パナソニック FY-9DPG2L-S 、アリエッタ SBARL-901LFW

天井からレンジフードを吊って取り付けるタイプ
対応キッチンレイアウト:アイランド型
代表例:
アリエッタ CBARL-952S、アリアフィーナ CFEDL-952 S
キッチンのレイアウトによって必然的に選ぶレンジフードが絞られてきます。
ファンの種類による違い
キッチンレイアウトの他に油煙を吸い込むための【風】起こすための【ファン】(送風機)によっても特性が変わってきます。レンジフードのファンは3種類あります。

プロペラファン:外風の抵抗に弱い。シロッコファン:外風の抵抗に強い。という特性があります。台風や変えの強い日にプロペラ型の換気扇が余り吸わないのもそのせいです。
⇒シロッコファンの方が安定した排気が望めます。
必要換気量によるレンジフードの選定
レンジフードは見た目の他に重要な要素として、
「使用するコンロ(加熱機器)に対し、最低限必要な風量」=
「必要換気量」
設置される環境・条件で、この必要換気量を出せるかを確認する必要があります。
建築基準法による規制
建築基準法では調理室にコンロその他の火を使用する設備もしくは器具を設けた場合、法令で定める技術基準に従って換気設備を設けなければならないと定められています。
●建築基準法第28条第3項
必要換気量についての条件
台所などの火を使用する調理室等に設ける換気設備の有効換気量は以下の式より求めるよう定められています。
●建築基準法第20条の3第2項
昭和45年 建設省告示第1826号
必要換気量(V)=定数(N)×理論廃ガス量(K)×燃料消費量又は発熱量(Q)
- V:必要換気量(m³/h)
- N:換気設備により下図を参照して選択します
- K:理論廃ガス量(m³/kWh又はm³/kg)
- Q:ガス器具の燃料消費量(m³/h又はkg/h)又は発熱量(kW/h)
ややこしいですね。。。
そこで役立つ情報です!
国内トップレンジフードメーカー:富士工業のホームページには簡単に必要換気量計算を求められるページが有ります。
下記URLにアクセスするとコンロのスペック(発熱量:kcalやkw)を入力するだけでOKです。
https://www.fujioh.com/product/calculation
入力は非常に簡単です。

また、ダクトの長さや曲げの回数による簡易的な静圧計算の仕方も乗っているのでプロユーザーの方にも非常にお勧めのページになっています。
レンジフードは奥が深い
水回りの設備機器の中でも、ダクトの位置や梁との関係など正直気にしなければいけない部分も多いです。
その中でどう選んでいくかは、
■デザイン ■清掃性 ■カラー ■同時給排/給気連動 etc….
色々な要素が有るので、お施主様に関しては、キッチンのプランニング時にはカタログをペラペラとめくりながらプランナーさんへイメージをお伝えして頂ければと思います。
お勧めの機種や役立つ情報などまた改めてお伝えできればと思いますのでよろしくお願いいたします。
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