2021年食洗機市場背景、国産⇔海外 食洗機の徹底比較

市場の背景
昨今、SNS時代に入り、身の周りにも情報が多く、エンドユーザー様も興味のある事は徹底的に調べられる方が多くなり多様な要望をされる方が多くなってきており、輸入食洗機のお問合せも日に日に増えている状況です。
背景には今まではオーダーキッチンでないと対応出来なかったものが一部の大手SKメーカー様が対応始めたことも有るかと思います。(クリナップさんや、LIXILさんなど。)
お問合せの一例としては『●●社のキッチンにBOSCHの食洗機は入るか』や、
『SRで相談したら食洗機が入るスペースは開けておくから施主側で手配をしてくださいとの事を言われたが工事も含めた対応は出来るか』と言った内容になります。
このような状況ですので、工務店や造作家具店の皆様も聞いたことのない海外製品だからと消極的になってしまうと、もしかすると売り逃し、単価ダウンの恐れがあるような状況になってしまいつつあるのです。
今回は国内外食洗機の対比などの基礎知識の内容をご紹介したいと思います。
まずは国内・海外製品を比べる事でそれぞれの特徴などをご存知頂ければと思います。(営業に携わるような方々にはその内容をお客様にお話し頂き、お客様への商品訴求する事で、お客様満足度アップにつなげていければと思います。)
食洗機の利便性

やりたくない家事ナンバーワンの食器洗い*。
やってもやっても際限がない家事を全部こなすのをやめて、面倒な食器洗いは家電にシェアしてみませんか?かけがえのない子どもとの楽しい時間や自分の時間、大切な人との時間など、食後に時間というゆとりが生まれます。
* 共働き世帯30~49歳既婚男女 N=1,469、2018年Panasonic株式会社調べ
やりたくない家事は家事ラク家電=食洗機で。
これにつきます。
家事を楽にする家電のポイントは“ほったらかし”
毎日の家事を楽にするためには、設定をした後「ほったらかし」できる家電が忙しい現代の人々に喜ばれています。
たとえばロボット掃除機や電気調理鍋のような、スイッチを押して「ほったらかし」するだけで完了するような家電の人気が高まっています。
食洗機もそのような便利な家事楽家電と言えるのではないでしょうか!?
国産・海外メーカーの違いについて
食洗機を【国産メーカー】と【海外メーカー】の大きく二つのグループに分けて比較すると下記のような違いが有ることが分かります。
国産メーカー食洗機 | ⇔ | 海外メーカー食洗機 |
幅45㎝(450㎜)がメイン。 浅型・深型有り 60㎝(600㎜)の機種は数種類のみ。 |
サイズ | 幅45㎝(450㎜)、60㎝(600㎜) 共にラインナップが豊富 |
樹脂製 | 庫内素材 | ステンレス製 |
乾燥のみの運転モード有り | 乾燥 | 乾燥のみの運転モード無し 基本的には余熱乾燥方式 |
引き出しタイプ | 開閉 | フロントオープンタイプ |
100V | 電源 | 200V |
食洗機後ろ側での立ち上げ | 給排水位置 | 隣のキャビネットに立ち上げ (主にシンクキャビネット) |
予洗い必要 (予洗いしてから食器類投入) |
予洗い | 予洗い無し (そのまま食器投入可能) |
庫内素材の違いについて
国内メーカーの食洗機の庫内は基本樹脂製になりますが、海外メーカーの食洗機は庫内がステンレスで出来ていてドアの厚みも国産メーカー品と比べるとかなり分厚いつくりになっています。
ステンレス製の利点としては、ボディの剛性が有るので分厚いドアとも相成って遮音性能も高いという事や、(イメージしやすいように例えるならば、『軽自動車よりも高級外車の方が静か』のような!?それ位の差が有ると言っても過言では有りません。)ステンレス製なのでヌメリもつきにくいですし、樹脂製ならではの経年劣化も気にしなくて良いというメリットが有ります。


乾燥方法の違い
国産メーカー品に関しては『食器洗い乾燥機』と謳われいていることからも乾燥に関しては電気の力を用い強制的に乾燥を促進する機能が備わっています。
ヒーターで温めた風を当てることで水分を早く飛ばせるというメリットは非常に大きいのですがデメリットとしては急速に乾燥させることで水分中のカルシウムやミネラル、塩素等が凝集され付着しやすくなったり、電気代が高くなったりという側面が有ります。
でも乾燥単体で運転できるモードが有ったり便利には違いないですね。

海外メーカー品に関しては乾燥単体の運転モードが無いなど、乾燥に関しては『余熱乾燥』方式になります。洗浄した後のすすぎを高温で行い、水蒸気が蒸発しやすくしますがプラスチック素材のものは熱を帯びにくく冷めやすいので水滴が残りやすいのは否めないです。
余熱乾燥という思想は各メーカー共通なのですが、メーカーによってその方式には種類が有ります。
BOSCH(ボッシュ)、GAGGENAU(ガゲナウ)は【ゼオライト・ドライ】という独自の乾燥方式を持ち扉が閉まったまま運転が終了し室内に湿気を放出しません。

Miele(ミーレ)、AEG(アーエーゲー)は洗浄プログラムが終了の際に自動で扉が開き、庫内にたまった蒸気・湿気を室内に放出するという機能を搭載した機種も有ります。

ドア開閉方式の違い(→収納力の違い)
国産メーカー食洗機は食器を入れるバスケットとドアパネルが一体になっていて引き出した上から食器を入れるタイプがほとんどです。
サイズも幅45㎝のものが主流という事もあり食器を入れられる点数も限られ大きな鍋やフライパンは庫内に入りきらない為、手洗いをしなければなりません。

海外メーカー食洗機はドアとバスケットが分離しており、ドア全面がガバッと開き、2段若しくは3段のバスケットをそれぞれ引き出して食器や調理器具を入れます。

朝・昼・夕と1日3回の食器と調理器具をまとめて洗浄できるほどの容量が有りますので家事の手助けにもなります。朝と昼は『予洗いコース』で簡単なすすぎだけしておき、夕食後にまとめて通常の洗浄プログラムで洗う等のがおススメです。
電源・給排水立ち上げ位置の違い
これも国内メーカーと海外メーカーで大きく異なる部分です。ユーザーが設置後使用する際にかかわる内容では無いのですが、設置工事の際にはこれによって段取りが必要になります。
国産メーカー品は通常のコンセントと同じく100Vの電源(ただし食洗機のみの単独回路として他のコンセントと分岐してはいけません)、給排水の配管は食洗機の後ろ側での立ち上げになります。
海外メーカー食洗機は電源が単相200Vになるので元々食洗機が無かったり、国産メーカー品からの入れ替え工事の場合は専用回路を準備しなければいけません。給排水の配管は食洗機の45㎝若しくは60㎝の幅の中ではなく隣のキャビネット内部(主にはシンクの下)に配管を立ち上げ無ければいけません。
工務店さん、リフォーム会社さんにこの辺りは事前の確認が必要な事だけ頭に入れておいていただければと思います。
予洗いは要る?要らない?洗浄力の違い
使い勝手の面で収納力以外に大きな違いとなってくるのは『予洗い』が要るのか、要らないのか。
国産メーカー食洗機の取り扱い説明書を見ると予洗いをしてから投入してくださいとの記載が有ります。
海外メーカー食洗機は勿論、お皿に残った大きな固形物は取り除かなければいけませんが、予洗いをすることなく使ったお皿や調理器具をそのまま食洗機に投入しても問題ありません。
洗浄力の違いはどこから来るのかと言うと、国産メーカー食洗機はスプレーノズルがタンクの下部にしか無いのですが、海外メーカー食洗機は庫内下部は勿論、中段バスケットの下側、庫内天井面からも水が噴射されるので上下左右色々な方向から高圧洗浄できるというのが非常に有利な点となっています
予洗いが要らないという事は手間も省けますし、水道の使用量も減って一石二鳥ではないでしょうか。

まとめ
国内メーカー食洗機と海外メーカー食洗機の違いを色々な点から比べてみまた。
設置スペースの関係や予算の関係、好みの問題も有るかと思いますが食洗機に関しては海外メーカーのものを私は強くお勧めしたいと思います。
まさに、時短、家事負担低減が実現できる優れものだからです。
(予洗いすら要らないので手荒れの心配も減りますね!)
海外メーカーという事でもしもの時のメンテナンスをご心配される方もいらっしゃると思いますが各メーカー自社や代行店のメンテナンス網を持っていますのでご安心くださればと思います。
ご検討の際の参考になれば幸いです。
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